「サイドイベント」の大切さとリスクについて

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2014年以降、ポケモンオフやイベントの間で頻繁に取り扱われるようになった「サブイベント」について100%主観で語ります。「オフの運営しててサブイベント入れてみたい…」「参加者だけどサブイベやってほしい」と思う人は読んでみるといいかもしれません

はじめに

この記事は「大会」を運営しようと考えている人向けだが、「イベント」「オフ会」を開催する人にも伝わるように執筆した。中には納得出来ない点もあるかと思うが、あくまで個人の考えとして捉えて頂きたい。

XY以降の対戦オフ/イベントで採用されるようになった「サブイベント」。イベントの趣旨、目的毎に様々な内容に設定され、実施されてきた。
今回はこのサブイベントの性質と、それに伴う問題点や運用リスク等について触れていく。

1.サブイベントとはなにか

対戦を目的としたポケモンオフはそもそも、「予選」と「本選」から優勝者を決めるところに本質がある。
ポケモンの対戦は1試合平均20~30分の時間枠を設ける必要があり、十分な対戦を熟して優勝者を決めるためには朝から夕方or夜中まで対戦をしなければならない。
その上予選→決勝トーナメントという形式を取る以上、全体参加者のうち7割~8割が予選落ちしてしまい決勝トーナメント進行中に暇になってしまうという問題が出てきた。

長年その問題は「交流の時間」として参加者と運営の間では暗黙の了解のまま進行が行われてきたが
新規参加者が増えてきた頃、「交流のタイミングが分からない」「空いた時間がもったいない」「もっと対戦したいのにできない」等と微妙に問題視されてきたのだ。

その問題を解決するのが「サブイベント」の存在だ。サブイベントは予選落ちした参加者が楽しめるように設定された自由参加型のイベントで、決勝トーナメントと同時進行させることで空いた時間を効率良く交流の時間として使える大きなメリットがある。
またイベント内容毎に他ルール等と触れる機会も作ることができるので、一部の参加者にとっては新鮮な機会として楽しめることもできる。

2.シングル厨サブイベント「トリプルビート」の意味

シングル厨ではもはや伝統となりつつある「トリプルビート」。そもそもの導入のキッカケは単純なものだった

「決勝戦や3位決定戦やってるのに、会場で見ている参加者が少ない」

そう感じたのは某対戦オフに参加している最中、自分が決勝トーナメントで敗れ決勝戦を観戦している時に感じたものだった。
決勝戦と言えば凄みが増すかも知れないが、初戦はポケモンバトルが1戦行われているに過ぎず、それを盛りたてる参加者と会場の雰囲気作りが無ければ決勝戦というのは成り立たない。
にもかかわらずこのオフでは観戦者が少ない。なぜか。答えは簡単で、決勝トーナメント消化までの間予選落ちした参加者が暇なせいで帰ってしまうからだ。

シングル厨を大規模で行う際に、そのような自体が起きてはいけない。決勝戦こそが誰もが憧れる舞台で、他の参加者が目指すステージなのだから、盛り上がりは絶対的に必要不可欠なのだ。
そのために閃いたのが「トリプルビート」もといサブイベントの導入だった。

トリプルビートは「予選落ちした人が自由に対戦に参加して、ある程度勝利した際に達成感が得られるイベント」として設定した。
理由は簡単で、単に機会を作っても達成感がなければ途中で飽きてしまうから。途中で飽きてしまえば結果として最後の決勝戦まで残ってもらえる状況を作ることができない。
また参加者に寄っては予選落ちしたら交流に徹したい人もいるハズだ。特に初参加者で知人がいない人にとっては絶好の交流機会であり、自分を知ってもらうチャンスだろう。もしそのチャンスを掴めれば次回以降も知人同士で参加しようと意気込む機会を作れることになる。
サブイベントという制度を導入する際にはその点に注意しながら細かに内容を設定していった。

  • 実施タイミングを予選終了時に → 決勝ステージまで人を残すことで熱狂と歓声の質を高める(ステージ演出面の実質強化)
  • ランダムマッチング → 予選のブロックとは異なる人との交流の機会を設けることができる(他オフや次回開催イベントの参加意欲向上)
  • 缶バッジの要素 → 連勝することで入手できるようにし、そのイベント限定のバッジを入手したことによる達成感を与えることができる(勝利の達成感向上)
  • 3連勝という要素 → 3連勝で特典が得られることで、緊迫感を感じながら対戦をすることができ結果的に連続で挑む状況を作れる(擬似的なトーナメント要素による緊張感を表現)
  • ルールは予選時と同じに、ただしパーティは変更可能 → 予選時に使ったパーティの再調整や、使用を諦めたパーティの使用(新たなる構築の可能性追求によるシングル界隈の発展)

他にも細かい要素はまだまだあるが、特に重要視していたのがこの5点。その他内容に関してはスタッフと吟味しながら設定と改良を進め、今現在のトリプルビートが設定された。
トリプルビート導入した頃から他オフでも導入されるようになり(もしかしたら起源は別にあるのかもしれないが)、現在殆どの中~大型対戦オフでサブイベントが導入されている。

3.サブイベントの問題点/「当たり前」の難しさ

サブイベントが普及してきた頃、ある問題点が浮かび上がってきた。それは各オフでサブイベントが流行ってしまったが故に参加者にとって「サブイベントがあることが当然」という先入観が生まれ、オフ運営の負担が上がってしまったことだ。

以前開催された某ダブルバトルのオフでは、サブイベントについて参加者からこのような指摘が行われた。

イベント内容として記載されている『サイドイベント「フリーダブルバトル」』の進め方の改善についてです。
イベントの大きな軸が優勝者を決めることである以上、それ以外の大多数の参加者は敗者であり、その多くはイベントに参加したものの対戦する機会が少なくなる性質があります。そのため、サブイベントの存在は大きく、上位に残れなくても対戦する機会、そして交流の機会をえる重要な位置づけと言えます。私は勿論、サブイベントがあるから「参加してみよう」と思った方も少なくはないと思います。

ですが、実際サブイベントの内容としては、フリーで対戦する場所を提供するのみでした。「参加者同士の交流」というざっくりした目的に対して、運営スタッフ側がどこまで具体的に実現案を練っていたか(もしくは、どんな状態を実現したかったか)は直接考えを聞くことができなかった為、分かりませんが、個人的にはかなり考慮不足だと思います。

引用元:http://d.hatena.ne.jp/kogame5/20150627/1435416636

これは昨年開催されたポケモンオフイベントにて取り上げられたもので、当時twitterを中心に話題となった問題の一つだ。
この記事では「サブイベントの運用方法」について、不明瞭なものであった点を強く指摘されてしまっている。
(決してそのイベントの運営スタイルを否定している訳ではないが、あくまでこういう事例があったと紹介するために引用させてもらった。)

実際問題、中~大規模のイベントは昔に比べて非常に数が増え参加者としてどのイベントに参加するか多様な選択ができるようになっている。
運営者は、会場費等の経費を回収するために当然イベントの定員近くまで参加者を獲得しなければならない。そのためにはイベントの魅力の部分を強く主張する必要があるが、サブイベントは特色を主張するにはうってつけな要素の一つであり、他イベントとの差異化を図るために導入する事例が増えたのだろう。

しかしこれが参加者にとって「当たり前」の状態になった今、イベント運営への負担が増えてきているのが現状だ。
必要なスタッフ数は増え、そのための指導やイベントの段取り、参加者の誘導や時間配分の設定等、運用自体が非常に困難で決して簡単に導入できるものではない。
かといって引用した事例通りフリーで対戦する場所を提供するのみではサブイベントに慣れ親しんだ参加者にとっては物足りない状態ができ、他のイベントと比較され参加層が減っていく恐れもある。
オフ運営の負担は増えていく一方で参加者にとって当たり前の状態が増えていくことは、長期間イベントを存続させるためには非常に大きな問題として伸し掛かってくるだろう。

4.サブイベントの問題点/サイドイベントの「目的」とは

サブイベントの導入目的はオフ毎に異なる。運営によっては「過去作での対戦機会を作れる唯一の機会」として過去作バトルを開催する人もいるし、実際それを目的に参加するユーザーも多い。
しかしサブイベントの内容が特殊なことにより、サブイベント進行自体がメインとなることで本選の決勝ステージへの繋がりor関心が薄い状態が出来ているのも数多く存在するだろう。

自分はサブイベントはあくまでサブイベントであり、本選より主張されてはいけないと考えている。これはいわずもがな、大会が本来主張するべきイベントが霞んでしまうことにより大会の目的そのものが霞んでしまう恐れがあるからだ。
また参加者にとっては大会のために準備する期間も含めて「大会」であり、パーティは「その人が本選で勝ち進むことを目的に組まれたもの」である可能性が高い。よって本選で使用するパーティをそのままサブイベントに導入させることで次回以降の発展orパーティ改善のキッカケに繋げる機会を提供できる、言わば次回以降の大会参加意欲を高める場所としても扱っているので、本選と異なるルールで行うことは参加者の大多数にとって旨みが少なくなってしまう。
以上2つの理由を元に、本選と切り離したルールのサブイベントを導入することは新たな魅力と共にそれ相応のリスクが伴うと考える。特にBW2等の過去作の対戦はそれを目的に参加するユーザーがいる以上本選より主張される可能性のあるイベントなので、運用には十分注意をする必要がある。
(シングル厨で導入したリバイバルマッチ、ミドルリーグ共にリスク・リターンを兼ね備えたイベントである。それらの説明はまたいずれ)

ただしこれは「大会」として考えている場合であり、交流や自由な対戦を目的としたイベントにおいて他ルールを排除することは正しい選択とは限らない。また「大会」として考える場合でも、メインイベントと同様に扱う場合はサブイベントの重要度も別の意味で上がってくるだろう。
絶対的に言えることとしてはサブイベントを導入する意味を設定することはイベント運営にとって必要不可欠な要素だということだ。

 


以上が自分がサブイベントについて思うことを述べてみた。
サブイベントの重要性と導入するリスクについて語ってきたが、確実に言えることはイベント運営においてサブイベントは必須な要素ではない。

サブイベント自体はそのイベントの特色を主張するには強力な要素だが、あくまでもサブの要素であり、メインイベントのみでも主張に十分足りている場合が多い。寧ろ扱いによってはメインの要素を霞ませてしまう恐れすらある。
また導入する上でもスタッフの配属と運用、タイムスケジュールの管理は非常にシビアなものとなるので、無理に導入して運営が疎かになってしまった場合も運営の負担でしかなくなってしまう。
イベントにおいてサブイベントが何のために存在しているのか、リスク・リターンが噛み合っているのかを主催及び運営は今一度考慮し、新たに導入or非導入を検討する必要があるだろう。


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